高学歴でありながら就職せず、社会との接点を持たない「高学歴ニート」。一方で非正規として働く「高学歴フリーター」も存在します。
本記事では両者の違いやリスク、さらに高学歴ニートに陥る原因を探り、背景にある問題を考察します。
目次
高学歴ニートとは?
まずは、高学歴ニートとは何なのかを紹介します。
学歴の高さと就労状況のギャップ
高学歴ニートとは、一般的に大学や大学院など高等教育を修了、あるいは在籍していたにも関わらず、就労していない状態にある若者のことです。ここで言う「ニート」とは「Not in Education, Employment, or Training」の略であり、学校に通わず、働かず、職業訓練も受けていない人という意味になります。
つまり、勉学の成果として高学歴を得ながらも、その学歴を社会で活かせていないという状況にあるのです。
社会からの期待と本人の現実
高学歴の肩書を持つ人は、周囲から「優秀な人材」と見なされやすく、安定した職に就くことを期待されます。しかし現実には、就職活動の失敗、キャリア選択の迷い、心身の不調などにより、就業へ踏み出せないケースがあります。
社会の期待と本人の現実との間に大きなギャップが生まれ、それが「高学歴ニート」という存在を際立たせているのです。
日本における高学歴ニートの現状
日本では大学進学率が上がり、多くの若者が「学歴」という資本を手にするようになりました。その一方で、就職氷河期を経験した世代や、現代の競争社会に直面する若者の中には、就労を選択できないまま長時間ニート状態に陥る例も少なくありません。
特に親の経済的支援がある場合、生活が成り立ってしまうため、結果として「高学歴ニート」が一定数存在するのです。
高学歴ニートと高学歴フリーターの違いやリスクは?
高学歴ニートに対して「高学歴フリーター」という人もいます。ここでは、両者の違いやリスクについて紹介します。
定義の違い
高学歴ニートと高学歴フリーターは似ているようで明確に異なります。高学歴ニートは就労しておらず、教育や職業訓練も受けていない状態です。一方、高学歴フリーターは、正社員としてではなくアルバイトや派遣など非正規の仕事に就いている人を指します。
つまり、働いているかどうかが両者を分ける大きなポイントです。
社会的評価とキャリア形成の違い
高学歴ニートは「無業」という点から、社会的評価が厳しい場合が多いです。就職活動で空白期間が長くなるほど、採用担当者の印象は悪くなり、再就職が難しくなります。一方、高学歴フリーターは非正規雇用ながらも「働いている」実績があるため、一定の社会的信用は保てます。
しかし、正社員と比べるとキャリア形成が不安定であり、将来の生活基盤が微弱になるリスクを抱えているのが現状です。
経済的リスクの差
高学歴ニートは収入がないため、親や家族の援助に頼るケースが大半で、親の支援が途絶えた場合、自立できず生活困窮に陥る可能性が高いのが特徴です。対して高学歴フリーターは、収入は少ないながらも自力で生活を成り立たせることができます。
ただし、収入が安定せず、結婚や住宅購入といったライフイベントに踏み出しにくいという問題があるでしょう。
将来への影響
高学歴ニートは社会経験の不足が大きな障壁となり、年齢を重ねるほどに就労の機会が狭まります。一方、高学歴フリーターは、スキルや就職経験を積めば正社員への転職の道が開ける可能性もあります。
しかし、非正規雇用を続けることが常態化すると、やがて正社員登用の道を閉ざされるリスクが高まるのです。
高学歴ニートになる原因を調査!
さまざまなリスクがある高学歴ニートですが、そのような状態に陥ってしまう原因を調査しました。
就職活動での挫折
高学歴ニートの代表的な原因の一つが、就職活動の失敗です。特に人気企業や大企業を志望する学生の中には、採用競争の激しさに直面して内定を得られない人がいます。「自分は学歴があるから就職できるはず」という過信と、現実との落差が精神的なダメージとなり、その後の活動意欲を奪ってしまうのです。
完璧主義や自己評価の高さ
高学歴の人ほど、自分に対するハードルを高く設定する傾向があります。「自分にふさわしくない職場でなければ就職しない」という完璧主義が、逆に就業の機会を狭める原因となるのです。
その結果、条件に合う職を探すうちに就職活動のタイミングを逃し、ニート状態に陥るケースが見られます。
精神的・身体的な不調
うつ病や不安障害などメンタルヘルスの問題、あるいは身体的な健康上の理由によって働けない場合もあります。高学歴ゆえに「自分は働けて当然」と考える気持ちと、現実の不調とのギャップが、さらに自己否定感を強めてしまう悪循環が生まれるのです。
家庭環境と経済的余裕
親の経済力が高い家庭ほど、高学歴ニートが長期化する傾向があります。実家で暮らし生活費を親が負担してくれる場合、無業状態でも生活が成り立つため、就労への切迫感が薄れます。
また、親が「子供が就職しなくても支える」と考えるケースでは、本人が自立を後回しにしやすくなってしまうのです。
社会とのミスマッチ
高学歴であるがゆえに、社会で求められるスキルや役割と本人の希望や適性が嚙み合わない場合があります。研究や専門分野に特化した学問を学んだものの、それを直接活かせる仕事が限られていることも少なくありません。
その結果、「せっかく学んだのに希望する職がない」という不満から、就職活動そのものを断念してしまうこともあります。
ネット社会による影響
現代では、ネット上で娯楽や情報が容易に手に入る環境が整っています。そのため、就職活動に失敗したり働く意欲を失ったりした人が、ネット上での交流や趣味に没頭し、現実社会との繋がりを断ってしまうケースも増えています。
このような生活習慣が固定化すると、再び社会に戻るハードルはますます高くなるのです。
最後に
高学歴ニートや高学歴フリーターは、学歴の価値と社会での立場のギャップを映し出しています。原因を正しく理解し、多様な働き方や支援制度を活用することで、未来への道を切り開くことができるでしょう。